募集テーマ「わたしを沼に引きずり込んだ一本」に、ダイジさまがお寄せ下さいました。
2020年頃から知らず知らずのうちに腕時計沼に入っていたダイジと申します。せっかくの機会なので私を沼に引きずり込んだ1本とその背景についてご紹介させてください。
私が機械式腕時計を買おうと思ったキッカケ
若かりし頃からスポーツ一筋であった私は、時計と言えばG-SHOCKという概念しかない学生生活を送ってきました。
そんな私も大学生になるころにはオシャレに目覚め(モテたいだけ)、その一環でファッション誌を見る機会が増えました。そこに掲載されている機械式時計の金額の高さに打ちのめされ、それでも機械式の運針に魅力を感じ、当時5万円くらいのブローバメカクォーツを購入して楽しんでいました。でも幸いなこと?に、ここでは沼にはまることは無く、服、シルバーアクセサリー、眼鏡にはまっていきました。
時が経ち、モテたいと思っていた私も無事に結婚ができ、娘が生まれ、息子が生まれと時が流れていく中で、私の機械式時計を買おうと思うキッカケとなるある出来事が起きました。それは兄の急死です。
6歳年上の兄が急になくなり、残された遺品整理をする中にブルガリとロレックスの時計がありました。素人目に見ても偽物ではと思えるその時計はもちろん偽物でした。
親となった私にとって、自分に何かあった時に引き継いでたまには思い出してもらいながら、本当に困ったときは売って数万円になる機械式時計を購入したいと妻に話したところ快諾してもらったので早速探すこととなりました。(妻もここまでハマるとは思ってなかったと思いますが・・・)
時計選び、そして出会ったオリスアクイス
時計選びとは言え、基本的知識がない私にとっては、とても難しいものになりました。そもそも引き継ぐという概念で時計を選ぶと「耐久性」「保障の長さ」「引き継ぐ時までは自身で使うので気に入るかどうか」を判断基準で時計を探していました。(当時の私の感覚ではロレックスやオメガは高すぎて候補にすらならなかったです)
そんな時、とある時計雑誌でオリスのアクイスに新たなムーブメントであるキャリバー400を搭載したオリスアクイスがあることを知りました。そこでこのモデルやメーカーについて少し調べてみたところ、以下の点が私の琴線に触れてきました。
一度は世界のベスト10に入るほどの立場から、一度倒産の危機まで落ち込み見事機械式時計だけを作る方針を出して復活したこと
挫折を知るブランドは強いのです。
真のスイス時計をリーズナブルな価格で買える事
当時は30万円ちょっとでした。
時計のスペックが刺さった
5日間パワーリザーブ・高耐磁性・クロノメーター規格などが、当時の時計に詳しくなかった私には刺さりました。
青の文字盤の美しさ
驚異の10年保証
実機を見に行く。そして購入
2021年3月3日。運命の日です。買い物の帰りについでにとオリスの銀座ブティックに伺いました。まだ買うつもりもなく見に来ている子ども連れの私に対し、対応していただいた担当の方はとても親切に対応してくれました。なにより子どもが飽きないように塗り絵を出してくれたりお菓子を出してくれたり、私だけの意見ではなく妻の意見も聞くなど家族全体を接客してくれたことが何より嬉しかったのを覚えています。
目の前にアクイスデイトキャリバー400が運ばれてきた時の感想は、「青が綺麗すぎる」でした。この魅力は使って数年経つ今も変わらず感じているところです。
いろいろスペックの話を聞いた上で試着し、即決するには高すぎる買い物であったため、帰るしかないかなと思っている私に、妻からの「昨日が誕生日だし、自分へのご褒美でもいいんじゃない」と娘・息子の「青綺麗だからこれがいい」が決め手となり、まさかの即日購入となりました。
今考えると、「どこで・だれから・どのような場面で」という購入シチュエーションって大事だよなと思わされます。
なぜ沼落ちの一本になってしまったのか
これは私の時計に対する知識が甘かったことに起因します。アクイスデイトを買ってもちろん大満足ですし、今も好きな時計ですが、以下の点が気になるようになりました。
スペックばかりに目をやってしまい。サイズを気にしなかった
やはり43.5mmは大きく厚みも相まって、決して大満足の装着感ではありませんでした。
ムーブメントの特性による針飛び現象
キャリバー400は針飛び現象が出るムーブメントでした。不満がないと言っては嘘になりますが、機械式時計とはどういうものなのかを知る良い機会になりました。
最初にダイバーズを買ってしまったこと
ダイバーズは決して日常使いできないわけではないですが、前述の通り、大きさと厚さから少しシンプルなビジネスで使い易いモデルが気になるようになりました。
コスパの良い時計とは
人間の欲と言いますか、コスパが良いと言われている物がもっとあるのではと探したくなりました。(実質この後ボールウオッチを購入しています)
上記の理由などからもっと時計について知りたくなり、そして積極的にSNSで情報収集、時計店の方とお話をしているうちにあれよあれよと沼落ちしていきました(笑)
改めて自身の沼落ち具合を考えると、生活レベルを超えた支出に何やっているんだろうなと反省することもありますが、毎日つらくても腕もとにお気に入りの時計がある生活、時計をきっかけに本来であれば一生出会うことがないような素敵な人たちとの出会いや交流など私の生活に鮮やかな色どりを与えてくれています。
今は新たな時計を購入できるほどの資力がありませんが、ベルトで時計を楽しむなど自分らしい時計道を進み、いつか娘や息子に引き継ぐその時までは大切に預かっている気持ちで使っていこうと思います。
腕時計とそこに集う愛好家の仲間たちとの楽しさを知ればハマってしまいますよね。そして、受け継いでいくモノ。どこで・だれから・どのような場面で手にするか…
とても共感しました。想いもしっかりと詰まっていますから。何よりしっかりと手入れすれば息子さまにもその息子さまにも受け継いでいけますからね
息子様が大きくなった時、その腕にあらためて着けてあげてください。楽しみですね
テーマへのご寄稿、誠にありがとうございました。
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